kaeken(嘉永島健司)Techブログ

主に情報科学/情報技術全般に関する知見をポストします。(最近は、特にData Science、機械学習、深層学習、統計学、Python、数学、ビッグデータ)

概要『CDP活用の最適解を導く 事例から見えてくる、人材、プロジェクト、組織の在り方』

CDP活用の最適解を導く 事例から見えてくる、人材、プロジェクト、組織の在り方(トレジャーデータ 重原 洋祐 冨田 恭平 阪口 暁 小暮 和基 矢戸 政法)|翔泳社の本

概要

  • カスタマーデータプラットフォーム=CDPをすでに利用している方や導入を検討されている方向け
  • 技術的な話ではなく、必要な人材やケイパビリティ、組織やプロジェクトの体制について、トレジャーデータ社のCDP専門家が豊富な知識と事例をもとに紹介

目次

  • はじめに
  • 第0章 カスタマーデータプラットフォームとは
    • 0.1 今、なぜ、CDPが必要なのか
  • 第1章 CDP活用のための人と組織
    • 1.1 CDP活用における「前提」を正しく理解する
    • 1.2 CDPプロジェクトに必要な人材
    • 1.3 CDP構築と活用に必要なケイパビリティ
    • 1.4 ケイパビリティを最大限活かすための組織
    • 1.5 メンバーに求めるべきマインドセット
    • 1.6 筆者の経験に基づく採用と人材育成
    • 1.7 とにかく、できる限り打席に立って「10打数1安打」を
    • 1.8 学びと成功体験を、数珠つなぎのように連続させていく
  • 第2章 プロジェクトを成功に導くために重要な要素とは
    • 2.1 プロジェクトを成功に導く組織の在り方
    • 2.2 外部パートナーを活用することを考える
    • 2.3 CDPプロジェクトにおけるKGI・KPI設計
    • 2.4 CDP活用プロジェクト運用
    • 2.5 ノーコード化を進めるメリット・デメリット
    • 2.6 必要なキーワードは「信頼」に尽きる
    • 2.7 重要なのは「明確な目的」と「コミュニケーション」
  • 第3章 トレジャーデータが実践するプロジェクトの進め方
    • 3.1 CDP構築と利活用の全体像
    • 3.2 ビジネス構想・要求定義
    • 3.3 CDPの設計・実装プロセスについて
    • 3.4 CDPの施策利活用プロセスについて
    • 3.5 全ての部署で、お客様について考えるようになったことが最大の成果
    • 3.6 「楽しさ」や「成長」がデータ活用を「文化」にしていく
    • 3.7 強い意志と、組織への定着
  • あとがき

気になったポイント

  • Treasure Data Inc.CEO の太田氏によると、CDP が担うべき領域は「Connected Customer Experiences」

  • 企業が持つデータは千差万別で、業界が異なれば全く異なるデータが存在し、 データ活用における「型」というのは存在しない。そのため、企業が自社のビジネスでデータ活用を行うためには、必ず企業固有の 「設計図」 が必要

  • 基盤整備・データ統合は、スタートラインの手前でしかない

  • 高度化と効率化では難易度は異なる

  • 短期的な成功をアピールして関係者を巻き込んでいく

  • CDP構築から活用までの流れ

  • CDP構築・活用に必要なスキル定義

  • 必要人材はプロジェクトの進捗によって異なる

  • CDP活用プロジェクトの型

  • パートナー企業の得意領域

  • 結果指標とプロセス指標の具体的な設計例

  • 課題に対する方向性

  • 顧客軸・業務軸での施策洗い出しとポイント

  • 競合・類似事例に対する施策の網羅性検討

  • 施策のポートフォリオ管理とポイント

  • CDP活用プロジェクトにおけるステージゲート法の例

  • ビジネスサイドと技術サイドの合意形成ポイント

  • CDPが活用される主なプロジェクト

  • 部門や役職層間での期待値のズレ

  • 構想・要求の具体化プロセス

  • マーケティングを例としたビジネス要素洗い出し例

  • 課題の具体化とビジネス要素ごとの内容整理例

  • 構想・ビジネス要求と技術要求の整理

  • 構想・要求の定義例

  • CDPアーキテクチャの整理

  • データ連携とCDP機能の整理

  • データ連携方式の主要なパターン

  • CDPのデータアーキテクチャのベストプラクティス

  • 可視化・分析の全体像

  • 可視化・分析の実装プロセス

  • 可視化・分析要求のマッピング例

  • 利用者層の特性把握に向けたヒアリング例

  • 必要なデータ状態の把握に向けたヒアリング例

  • 要望/ニーズと求めるコンセプトの定義

  • KGI/KPIに基づく指標整理例

  • 指標定義のフレームワーク例

  • データマート実装に向けた要件整理例

  • 顧客のセグメント化の全体像

  • 顧客のセグメント化に向けたプロセス

  • セグメント要件に影響する変数

  • セグメント変数

  • マスタテーブル実装に向けた要件整理例

  • 時間や組織への定着率という変数は見落とされがち

など

所感

  • CDP活用法について、非常に濃いノウハウが詰まった本書には、詳細は説明とわかりやすい図解がセットで記載されている。また、具体的な企業事例もあり、CDPに関わるビジネスサイド・エンジニアサイド両方におすすめの書籍といえる。