EGP (Exterior Gateway Protocol)
- 定義: 異なる自律システム (AS: Autonomous System) 間でルーティング情報を交換するためのプロトコル。
- 用途: インターネットの初期に、コアネットワーク間のルーティングに使われた。
- 動作: ネイバー (Neighbor) の到達可能性をチェックし、既知のネットワークへのルーティング情報のみを交換。
- ルーティングアルゴリズム: ディスタンスベクタ (Distance Vector) 方式を採用。
- 特徴:
- 階層的ルーティング (Hierarchical Routing): ASという概念に基づき、大規模なネットワークを管理。
- 単純性: ルーティングポリシーの表現能力が限定的。
- パス情報: パス全体の情報を持たず、隣接ASへの到達性のみを重視。
🚦 分類
- プロトコルタイプ: 外部ゲートウェイプロトコル (Exterior Gateway Protocol)。
- ルーティングカテゴリ: 自律システム間ルーティング (Inter-AS Routing) プロトコル。
🎯 上位概念・下位概念
- 上位概念:
- ルーティングプロトコル (Routing Protocol): ネットワーク内でパケットの経路を決定するためのプロトコル群。
- 下位概念:
- なし: EGP自体が特定のバージョンや派生プロトコルを持たない。
➕ メリット
- シンプルさ: プロトコルが比較的単純で、実装・管理が容易。
- AS間の通信: 異なるAS間での最小限のルーティング情報交換を可能に。
- 初期の標準: インターネットの初期段階におけるコアネットワーク (Core Network) の接続を確立。
➖ デメリット
- 限定的なルーティング情報: AS内のパス情報を持たず、AS全体への到達可能性しか提供しない。
- ルーティングポリシーの柔軟性不足: AS間のルーティングポリシーの複雑な設定に対応できない。
- トポロジー制限: ツリー構造 (Tree Structure) のネットワークトポロジーに限定され、マルチホーミング (Multi-homing) など複雑な接続を適切に扱えない。
- セキュリティの脆弱性: ルーティング情報の信頼性や認証機能が不十分。
🆚 既存との比較
| 項目 | EGP (Exterior Gateway Protocol) | IRP (Interior Routing Protocol) |
|---|---|---|
| 用途 | 異なるAS間 (Inter-AS) | 同一AS内 (Intra-AS) |
| 例 | BGPの前身 | OSPF, EIGRP, RIP |
| ルーティング判断 | 隣接ASへの到達性のみ | 最適なパスの計算 |
⚔️ 競合
- BGP (Border Gateway Protocol):
- EGPの後継として開発されたパスベクタ (Path Vector) 型のプロトコル。
- AS間のルーティングにおける現在のデファクトスタンダード (De Facto Standard)。
- 複雑なルーティングポリシーの適用、マルチホーミング、大規模なインターネット接続に対応。
🛠️ 導入ポイント
- 現在: EGPはほぼ使用されていない。
- 代替: AS間ルーティングの要件にはBGPの導入が必須。
⚠️ 注意点
- 旧技術: EGPは技術的に時代遅れ (Obsolete) であり、現在のインターネット環境では利用非推奨。
- セキュリティ: 現代のネットワーク要件を満たすセキュリティ機能を欠く。
🚀 今後
- BGPへの移行: EGPの機能は完全にBGPに引き継がれ、インターネットのバックボーンを支える技術はBGPが担う。
- 歴史的意義: ルーティングプロトコルの進化における重要なステップとしての位置づけ。
🔗 関連キーワード
- AS (Autonomous System)
- BGP (Border Gateway Protocol)
- IGP (Interior Gateway Protocol)
- ルーティング (Routing)
- インターネットプロトコル (Internet Protocol)
- ディスタンスベクタ (Distance Vector)