中小企業政策:経営革新計画

中小企業政策 経営革新計画の概要

概要と定義

  • 経営革新計画 (Business Innovation Plan) 中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が「新事業活動」により「経営の相当程度の向上」を図るための計画書
  • 承認機関 都道府県知事または地方運輸局長等
  • 計画期間 3年から5年

特徴

  • 新事業活動の範囲 新商品の開発、新サービスの提供、商品の新たな生産・販売方式の導入、サービスの新たな提供方式の導入
  • 数値目標の設定 付加価値額(Value Added)および給与支給総額の伸び率に関する目標設定が必須

分類と構成

計画の分類

  • 単独申請 1社のみで取り組む計画
  • 共同申請 複数の企業が連携して取り組む連携体による計画

指標の基準

  • 付加価値額 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
  • 成長性指標 計画終了時において付加価値額が年率3パーセント以上向上すること

上位概念・下位概念

上位概念

  • 中小企業等経営強化法 (Act on Strengthening the Management of SMEs) 中小企業の稼ぐ力を高めるための包括的な法的枠組み

下位概念

  • 実施計画 経営革新計画の内容を具体化した各年度の行動計画
  • 設備投資計画 計画達成のために必要となる機械装置やシステムの導入計画

経営革新計画のメリット

金融支援

  • 低利融資 (Low-interest Loans) 日本政策金融公庫等による特別利率の適用
  • 信用保証の特約 別枠での保証限度額の設定

税制・補助金支援

  • 補助金の優先採択 ものづくり補助金等における加点措置
  • 販路開拓支援 展示会出展への助成や販路開拓支援事業の活用

経営革新計画のデメリット

手続負荷

  • 申請書類の作成コスト 事業計画の策定や数値根拠の提示に伴う多大な労力
  • 進捗報告の義務 計画承認後のフォローアップ調査や実施状況の報告

確約の不在

  • 支援の非自動性 計画の承認が融資や補助金の採択を保証するものではない点

既存制度との比較

経営力向上計画との違い

  • 目的の相違 経営力向上計画は「生産性の向上」、経営革新計画は「新しい取り組みによる革新」に重点
  • 税制優遇の幅 経営力向上計画の方が即時償却等の直接的な税制メリットが強い傾向

競合・類似施策

先端設備等導入計画

  • 対象範囲 市区町村の導入促進基本計画に沿った設備投資
  • 主な支援 固定資産税の軽減措置

地域経済牽引事業計画

  • 対象規模 地域経済への波及効果が高い、比較的規模の大きな事業

導入ポイント

策定のポイント

  • 新規性の証明 自社にとって初、かつ当該地域や業界において一般的でない取り組みであること
  • 実現可能性 (Feasibility) 市場ニーズの裏付けと、資金・人員体制の整合性

注意点

運用上の留意事項

  • 承認後の変更 事業内容の大きな変更時には変更申請が必要
  • 数値の整合性 決算書との整合性および現実的な成長予測の策定

今後の展望

デジタル・グリーン対応

  • DXの加速 (Digital Transformation) IT技術を活用したビジネスモデルの抜本的転換
  • 脱炭素化 (Decarbonization) GX(グリーントランスフォーメーション)に関連する新事業活動の増加

関連キーワード

  • 中小企業庁 (Small and Medium Enterprise Agency)
  • 付加価値額
  • 新事業活動
  • ものづくり補助金
  • 事業承継
  • 認定経営革新等支援機関
  • 生産性向上